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舞台写真家【廣津孝平、】やったもん勝ちドイツ日記

音楽留学からカメラマンに転向したドイツ・ベルリン在住の舞台写真家【廣津孝平、】のBlog。ヨーロッパ中のオペラやコンサート撮影、カメラマンとして日々思っていること、写真のことや趣味のソフトボール、我が家の猫たち、バイクのことなどツラツラ綴ります。

負の遺産【ザクセンハウゼン強制収容所】

Berlinの中心地から電車で北へ約30分。
S1の終着駅Oranienburgからさらに歩いて15分ほどの所にかつてのナチスが建てた強制収容所がある。

ザクセンハウゼン強制収容所である。
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ほとんどの人が二度と出ることの出来なかったゲートには、各地の強制収容所と同様に、この言葉を目にする。
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【Arbeit macht Frei】
働けば自由になるという、身も蓋も無い嘘で、収容者たちに偽りの微かな希望を与えていた。

今は少し整備されているが、当時の状況のまま保存されている
塀の前には有刺鉄線が張り巡らされ、さらに壁の至る所に監視塔が設けられ、常に監視下に置かれていた。
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右側にある大きな石は、かつてそこに収容者達が寝泊りする小屋があった印。石にはそれぞれ番号が刻まれており、40以上の小屋があったが、今はほんの数棟しか残っていない。

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敷地内にはさらに壁に囲まれた一角があり、その中は監獄になっていた。
そしてその監獄の脇に立っていた3本の木。
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囚人たちが手を後ろで縛られ、さらにその木に吊るされた。それだけでなくその状態のまま看守達によって数時間も殴打されることもあった。

監獄跡の上に一輪の花
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処刑場。ここでは銃殺が行われていた。
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処刑場のすぐ脇にある建物【Z施設】内にある遺体を焼くかまど。
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Z施設にはかつてガス室も設置されていたことが後の軍事裁判で最後の所長アントン・カイントルが証言している。
Z施設は連合軍の空爆によって破壊されたが、現在はその跡を保存している。

焼却処分された遺体などの灰は、まとめてこの場に捨てられた。
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日本では収容所といえばアウシュビッツ強制収容所くらいしか認識が無いかもしれない。
しかしヨーロッパ各国にナチスの収容所は点在していた。惨劇があったのはアウシュビッツだけではない。ドイツ国内にも10ヶ所、ポーランド、オランダなど近隣各国に合計で28箇所もあった。

写真家Dirk Reinartzが各地の収容所の写真集を出している。

【totenstill】

で、検索してみたら見つかるはず。是非皆さんも一度この写真集に目を通して頂きたい。
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